先日、電車に乗っていたら車窓から見えたのは、抜けるような青空。雲ひとつない、何のかげりもない青空がビルとビルの間を隙間なく埋めていたんです。そんな景色は私の心を解放的にし、仕事に向かうテンションが一気に上がりました。そして、車窓を流れるその風景を見ていたら、ある小説の表紙を思い出しました。全く混じりっ気のないブルーが印象的なその表紙の本は、コメディタッチのミステリーでした。随分前に読んだ小説だから、その存在自体が全く頭になかったのに鮮明に思い出しました。記憶ってそんな風に呼び覚まされるものなんだなって改めて実感しました。
その日は電車から降りてからも、頭の中はその小説の表紙の写真は離れないし、主人公の女の子のセリフまで浮かんでましたしね。空を見上げるとやっぱり清々しくて……今度は、仕事に行くのがもったいないような気がしてきました。けど、雨の中を歩くのとこんな風に快晴の日差しを浴びながら歩くのとでは、気持ちは全然違います。電車を降りて駅から職場までの道を足取りも軽く、吹けない口笛さえ吹けるんじゃないかと思えるくらいでした。
結局その日は一日中、とっても気分良く過ごすことができて、仕事もすごくはかどりました。やっぱり朝の気分は大事ですね。ブルースカイ効果は絶大です。
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マジックかと思ったら
この前、職場のみんなと食事に行った時に、マヌケな一面を披露してしまいました。食事といっても、行き先は居酒屋さんです。先日は、串焼きがメインのお店に行ったんです。いつものように男性陣はまず『ウコン』を飲んでいました。ただ、その『ウコン』なんだけど、乾杯のビールで飲んでるから、それって大丈夫なのかなって心配になります。ビールでそんなものを飲んで効き目があるのかと、疑いたくなります。けど、久しぶりの集まりだったから、みんなのテンションの高いことといったらありません。もちろん、その中には私も入っています。話題は仕事のこともあるけど、男性のゴルフでの失敗談や武勇伝、私たち女性は映画の話など、とにかく次々と途切れることはありませんでした。そんな中で、一人の女性が「話題の映画の原作を読んだら、映画よりそっちの方が良かった」と言ったから、その小説の話になりました。私もその原作を読んでいたから、彼女と私が解説役になって多いに盛り上がりました。私はスマホの中に電子書籍で持っていたから、それを開いて一節を紹介したりして、すごく楽しかったんです。そして、そこまでは順調だったんです。でも、そのお店を出て、みんなで歩き始めたときに、お店に人が追いかけてきたんです。「お姉さん、これ、落としてましたよ」って。見ると、そのスタッフさんの手には見覚えのある封筒が。「え、どうして?そこに?」私はまるでマジックを見ているようでした。だって、その封筒は、私がバッグに入れていたものなんです。1万円が入っていて、千円札にくずしてから金庫に戻す予定のお金だったんです。どうもスマホを出すときにバッグから落ちたみたいなんです。やってしまいまいた。自分のお金じゃないのに紛失するわけにはいきません。優しいお店の人に感謝、感謝の出来事でした。
最近になってわかりました
以前、読んだ小説の中に車が大好きな女性が登場しました。とにかく、新しい車が発売されると血が騒ぐと話してしました。乗ってみたくて仕方なくて、とにかく買う気がないのに試乗会に出かけるんです。私も車を運転するのは嫌いじゃないけど、その小説を読んだときには、彼女の気持ちがわかるようなわからないような……といった感じでした。でも、なんだか最近になって、なんとなくその気持ちがわかるようになったんです。テレビのCMを見ていたら、「乗ってみたい!」って思っている自分がいることに気づいたんです。いつの間にそんなことを思うようになったんでしょう。どこかで展示してある車を見かけたら、もう乗りたい衝動がハンパないんです。その気持ちは自分の所有物にしたいというより、純粋に運転してみたいって思うだけなんです。別にスピードを出したいわけでも、サーキットレースに参加したいわけでもないです。普通にドライブしてみたいだけなんですよね。私、あの小説の女性の心境に少し近づいちゃったのかもしれません。こういう気持ちを充たすのって、どうしたらいいんでしょうね。『レンタカーを借りて乗る』とか、でしょうか。普段レンタカーなんて借りないけど、最近はすごく安く借りられるみたいだから、これって趣味になりそう。なんだかワクワクしてきました。
宇宙ってワクワク
時々、新たな惑星が見つかったとか、地球以外の星にも生命の存在の可能性があるとNASAが発表したというニュースを耳にします。そんな話題には本当にワクワクしてしまいます。私は子供の頃から宇宙にはすごく関心があります。と言っても、学問の方は全く苦手なんですけどね。どちらかというと、ファンタジーの世界です。小さい頃から宇宙からやって来た人が地球で主人公と出会うというような物語が大好きでした。今でもタイムリープするものや宇宙にまつわる小説は面白くて夢中になってしまいます。宇宙はあんなに広いんだから、私たちが知らないところ、地球以外にも生命はいるはずだと思いますしね。それは夢だと言われたこともありますけど、夢でもなんでもいいから、信じてるんです。
実は中学生のときに、同級生のひとりの男子のことを、本当は地球に紛れている宇宙人なんじゃないかって思っていたんです。いえ、今でも半分くらいの確率でそんな風に思っています。これは、ものすごく失礼なお話かもしれないので、もちろん当時も今も家族以外には発表はしていません。そして、他人がこの話を聞いたのなら、空想少女だった私が小説の世界と現実の世界を混同していたに違いないと言われることはわかっています。でも、真実はわかりません。そして、NASAの発表のたびに心が踊るのは、今も昔も変わっていません。
それはおせっかい?
先日の朝の通勤のことです。その日はいつもより電車が少し空いてるように思いました。いつもなら女性専用車両なら座れることもあるけど、その他の車両ではまず立たなければなりません。それが、通常車両なのに座れてしまったんです。もちろん、立っている人もいるから、なんてラッキーな日だろうと嬉しくなりました。そうなれば、もちろん、乗り換え駅に着くまでの間は読書タイムです。もうすぐ読み終える小説のラストに期待しながらバッグから本を取り出してページを開きました。次の停車駅まではほんの5分くらいです。人の動きがあったから一瞬顔を上げたら、私の向かいの席が空いていたから、誰かが降りたようでした。その時、私の視界に入ってきたのは、斜め前に立ってる女性のバッグをその真ん前に座っている男性がチョンチョンと突いていた様子です。「ん?」と思って顔を向けてみたら、男性が小声で「後ろの席が空いたよ」と声をかけていたんです。思わず優しいなって思ったんだけど、その女性の反応は思いがけないものでした。頷くか頷かないかの反応で、不機嫌そうな表情、そして、その場からは動きませんでした。私はわざわざ教えてもらったのに座らないことに、もうビックリでした。私ならお礼を言って喜んで座るのになぁって。きっと教えてあげた男性は気まずかったと思います。でも、まぁ、みんながみんな座りたいと思っているとも限りませんものね。時々、思いっきり空いていても立ってる人っていますもの。『親切』と『おせっかい』の線引きは難しいです。
こだわりたくてもこだわらない
職場で出張から戻ってきた人が、出張先で食べたうどんの出汁がいつものそれとはまったく違ってたって言ってたんです。同じ日本でもあんなに違うんだなって。そういえば、食べ物の味付けって、地域によって異なるんですよね。テレビでもそんな番組をやってます。よく耳にするのは関東と関西で何かと違うということですよね。『おでん』とか『うどん出汁』とか『お雑煮』とかは味付けが違うってよく聞きます。私は母が東京で、父が鳥取だから、色々異なることがありました。基本的には料理するのは母だから、母の味になってるんですけどね。でも、お正月のお雑煮だけは、父も譲れないところがあったみたいです。鳥取がそうなのかどうか知らないけど、父の希望はお正月に『おぜんざい』なんです。だから我が家では、元旦に『お澄ましのお雑煮』、二日に『おぜんざい』と決まっていました。
先日から読んでる小説にも、ちょっとそれらしきエピソードがありました。登場人物が再婚するにあたって、亡くなった奥さんが作ってくれていた『鍋焼きうどん』をもう一度食べたくて、そのレシピを探すというものです。でも、結局、最後は『郷に入れば郷に従え』だと書いてありました。新しい奥さんの味に慣れ親しんでいくことが幸せなんだって主人公は語っていました。いつまでもこだわっていてはいけないって。そうですよね。新たな人生を歩むんですものね。
すぐに売り切れ
先日、こんなことを耳にしました。ある俳優さんが「すごく美味しい」とテレビで紹介した和菓子がものすごく売れてるって。なんでも、お店の開店前に何十人も並んでいるんだそうです。そして、紹介された和菓子はアッと言う間に売り切れてしまうんだとか。だから、今はひとりにつき何個までと制限をしているんだそうです。そうそう路上駐車や車の中に人が乗って待っていたりと、道路も混乱しているようで、警察まで出動する騒ぎなんですって。さすがテレビの威力というか、その俳優さんの人気の威力というか、とにかくスゴイです。でも、そんなに美味しいんならとテレビを見ていなくても食べたくなります。
けど、そういえば、以前、小説の中に出て来た洋菓子を食べたくて買いに行ったことがあります。物語のスパイス的な役目でそのお菓子が登場していたんだけど、売っているお店もお菓子も実在のものだったから、ページをめくりながらそのイメージが膨らみ過ぎて、我慢できなくなってしまったんです。休みの日にちょっと足を延ばして行ってしまいました。そうそう、雑誌などで写真入りで紹介されてるときにも、行ける範囲であれば絶対に行きたくなります。だから、テレビで美味しそうに食べてる様子が放送されたのなら、そりゃ買いに行きたくなりますよね。さて、いつ行こうかな。
気持ちに見合う金額
この前読んだ小説に、探偵事務所が出てきました。その事務所は食堂を営業する傍ら父子でひっそりとやってるんだけど、探偵料が決まってないんです。依頼された仕事が終わったときに、依頼したお客さんの方が料金を決めるんです。気持ちに見合うだけを振り込むというシステムなんです。なんとも大胆なシステムです。これって、きっと時には思わぬ高収入になることもあるけど、経費を賄えないときもあるんじゃないかなって心配になります。まぁ。小説だから心配ご無用なんですけどね。つい、事実のように受け止めてしまいます。
でも、考えてみたら日常生活でも似たようなことはあります。神社に行ったときのお賽銭はそうですよね。つい先日も友人とたまたま出かけたところの近くに有名な神社があったから立ち寄ってみたんです。友人が「5円ある?」って聞くから、「10円じゃなくて?」と私は答えました。私は特に意識しない時はいつも10円のお賽銭をしていたんです。あいにく持ち合わせていなければ100円です。でも、お賽銭箱にはお札がいくつか見えることもあります。それこそ願い事にかけるそれぞれの見合った気持ちの表れなのかもしれません。そう考えたら、お願い事するのに10円ではいけないような気がしてきます。でも、友人いわく、神様は金額で判断なんてしないものなんだって。それも当たっているようにも思えます。気持ちに見合う金額って、どんなことでも決めるのが難しそうです。
健康診断って大事
健康診断を受けました。行ってみてびっくり! あまりに大勢の人が受けに来ていたからです。けど、それって、みんながその重要性を意識しているということですよね。自分では何も自覚症状はないけど、きちんとチェックすることが大事ですものね。
以前、あるタレントさんの手記を読んだときにも、健康診断の大切さが書かれていました。その人は、それがきっかけでガンが見つかって治療をしたんです。発見のときの様子、闘病の様子、そして治ってからの現在の生活が綴られていました。早期発見できたから今があるんだと書いてありました。「何か重い病気が見つかったら嫌だから行かない」と誰かが言っているのを聞いたことがあります。その気持ちもわかります。病気が見つかること自体が怖いですものね。でも、手遅れになることはもっと怖いです。私の場合、それよりも検診に行くのがめんどくさいって思ってしまうんです。何の自覚症状もなくて、自分では元気だと思っているからなんですよね。
でも、親戚のおばさんにも言われたことがあります。彼女はガンで手術を受けたことがあるんです。今は普通の生活に戻っているし、元気そうに見えるけど、現在も治療には通っています。「病気と付き合っていかないとね」なんて笑っています。でも、健康診断には行かなきゃダメだと私に話します。私は、今のところ、検診で何かが見つかったことはないんだけど、おばさんの言葉がいつも頭にあるし、特に手記を読んでからは絶対に受けなきゃって思っています。
探偵は探偵でも
いろんな職業があるものです。といっても、小説の中でのことですけど。実際にこんな仕事があるのかどうかはわかりません。だって、食べ物の探偵なんです。お客様から「以前食べたこんな味の○○を探してほしい」と依頼されるんです。そして、その味を探し出して再現し、食べさせてあげるんです。小説では、依頼主はみんなそれぞれに思い出や想いがあって、そこにやってくるんです。依頼されるものは、お味噌汁やおにぎりなんていうこともあるから、なんだっていいみたいなんです。それを読んでいて考えたのは、私にはもう一度出会いたい味ってあるかなってことです。でも、物語のように、どうしても忘れられない出来事にちなんだ物や心の中にずっと沁みついているような物は思い当たりません。強いていえば、幼い頃に母が作ってくれていたプリンかな。時々、それに近い味のプリンに出会ったときに、思い出して懐かしいなって思います。そうそう、比較的最近だけど、上司にもらった『おにぎり』がありました。「まぁ、一度食べてごらん」と言われて渡されたんです。具が何も入ってない塩味だけのおにぎりだったんだけど、口に入れた瞬間にその素晴らしさに驚いたんです。本当に衝撃的とも言えるほどの美味しさで、ごはんの粒も普通の倍くらいもあるんじゃないかというくらい大きさでした。そして、冷めてるのにふんわりとした食感だったんです。ある地方のお米で、かなり高級なものとのことでした。それ以上、詳しく聞いてないから、はっきりとした情報はありません。けど、その『おにぎり』にはもう一度出会ってみたいです。