こだわりたくてもこだわらない

職場で出張から戻ってきた人が、出張先で食べたうどんの出汁がいつものそれとはまったく違ってたって言ってたんです。同じ日本でもあんなに違うんだなって。そういえば、食べ物の味付けって、地域によって異なるんですよね。テレビでもそんな番組をやってます。よく耳にするのは関東と関西で何かと違うということですよね。『おでん』とか『うどん出汁』とか『お雑煮』とかは味付けが違うってよく聞きます。私は母が東京で、父が鳥取だから、色々異なることがありました。基本的には料理するのは母だから、母の味になってるんですけどね。でも、お正月のお雑煮だけは、父も譲れないところがあったみたいです。鳥取がそうなのかどうか知らないけど、父の希望はお正月に『おぜんざい』なんです。だから我が家では、元旦に『お澄ましのお雑煮』、二日に『おぜんざい』と決まっていました。
先日から読んでる小説にも、ちょっとそれらしきエピソードがありました。登場人物が再婚するにあたって、亡くなった奥さんが作ってくれていた『鍋焼きうどん』をもう一度食べたくて、そのレシピを探すというものです。でも、結局、最後は『郷に入れば郷に従え』だと書いてありました。新しい奥さんの味に慣れ親しんでいくことが幸せなんだって主人公は語っていました。いつまでもこだわっていてはいけないって。そうですよね。新たな人生を歩むんですものね。

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