私、ヒマじゃないんです

先日の休みの午後のことです。その日は全くのフリーで、こんなにも自由っていいものかと、なんだかウキウキしていました。いつものように時間に追われることもなく、雑誌で見かけたちょっと凝ったフレンチトーストを作ってゆっくりブランチをしました。その後、コーヒーのお代わりを入れて、ソファに移動です。少し前に買った小説をようやく読めるのです。ページを開いて、数ページ読み進めたところで電話が鳴りました。仕方なく立ち上がって電話に出ました。そしたら、女性の声。第一声がなんとも意味不明。ビンの写真? それを最近、雑誌や新聞で見たことないかって。「そんなの見たことがない」って言ったら、「じゃあ、お電話してよかったです」なんて言うんです。思わず「これは一体なんのお電話ですか」って聞いたら、「それを今から話しますね。営業とかじゃないんで安心してくださいね」って。いやいや、そんなことは聞きたくないんですって。今、小説を読み始めたばかりなんだから。だから、説明よりも先に何の目的かを言ってほしいと言ったのに、「大事なことなんでまず聞いてください」って言うから、もうイライラしちゃいました。ビジネスの基本でしょ。まず、結論。それから説明。ラストチャンスで、もう一回「先に話の要点を言ってください」って言いました。でも、女性からは同じ返答でした。「もう無理です。私、ヒマじゃないんです。失礼します」と電話を切りました。せっかく気分よくページを進めかけてたのに。初めから仕切り直しました。ビジネスの基本は守りましょう!

その業界のこと

社会には色んな仕事があって、色んな業界があります。そして、世の中には多くの業界のことを知っている人がいます。おそらく、自分自身が仕事として経験した場合や知人や友人から聞いた場合、または、何らかの必要性があって調べた場合などだと思います。けど、一般的には自分の仕事に関することは詳しくても、そのほかの業界についてはあまり知らないのが普通ですよね。
けど、小説を読んでいたら、作者はどうしてこんなことまで知ってるんだろうってよく思います。今読んでる小説の舞台が自動車メーカーや運送会社なんだけど、その内情が色々出てくるから、本当に驚きなんです。作家さんは下調べや取材、研究にすごく時間をかけていると聞いたことがあるけど、『すごい』なんていうものじゃないなって感じます。だって、そこで働いていないと絶対に知らないだろうという内容なんですもの。だからこそ、私たち読者は疑似体験ができて、その物語の中に入り込めるんですけどね。もちろん、過去にそんな現場で働いていて、今、それを元に書いている人もいるかもしれません。けど、ほとんどの作家さんは数多くのストーリーを紡いで、舞台となる職業も様々だから、それは取材で成り立ってるんでしょうね。特に、今、読んでる物は、過去に実際にあった事故から明らかになったことを書いていると何かで読んだように思います。私には全く未知の世界のお話です。今、ものすごく引き込まれています。

洗練された可愛さが素敵

可愛いものは好きです。たぶん、ほとんどの女性がそうかもしれないですよね。最近では、男性でもよく「可愛い!」と言ってるのを聞くから、感覚にもあまり差がなくなったのかもしれません。でも、私の場合、一口に可愛いと言っても、あまりにもフリフリや甘々な感じはちょっと好みではありません。ちょっと大人っぽいというか、洗練されたイメージの可愛さが大好きなんです。こんな私のハートをわしづかみにするような素敵なものを先日雑誌で見かけたんです。初めその写真を見ただけでは一体それが何なのかわかりませんでした。カップのフチに美しい蝶が止まっているように見えるんです。まるでポートレートのようなその写真にくぎ付けでした。そして、そこに書いてあることを読んでビックリです。その蝶は紅茶のティーバッグの持ち手の部分だったんです。そう、カップにお湯を注いで紅茶を淹れている間、持ち手の蝶がそこで羽を休めているように見えるんです。なんて素敵なんでしょう。「ほしい!」という気持ちよりも誰かにプレゼントしたいって気持ちでいっぱいになりました。だって、こんなに可愛いくておしゃれな物をプレゼントしてもらったら、絶対に嬉しいじゃないですか。写真を撮ってSNSにも投稿したくなること間違いなしです。紅茶の味も5種類あって、オンラインストアで販売してるんだって。これはもう買うっきゃないです!

超熟睡の香り

以前、友人からラベンダーの紗々をもらったことがあるんだけど、枕とカバーの隙間に忍ばせておくと本当に幸せな気分になりました。でも、この効果は確かなものらしくて、先日、読んだ雑誌に書いてあったんです。香りによって、睡眠の質が全く変わってくるって。その雑誌に載っていた香りは4つで、ラベンダー、セドロール(ヒノキやスギ)、コーヒー、タマネギなんです。中でもコーヒーとタマネギは、実際の実験結果に基づいての記事だったから信頼できるものなんですけど、ものすごく意外で驚きです。だって、コーヒーは普通、目を覚ますものだという認識ですもの。でも、実は、コーヒーの香りを嗅ぐと脳にはアルファ波が多く出てリラックスした状態になるんです。気持ちが落ち着いて眠りやすくなるんだそうです。それと、もう一つ、幼稚園児での実験で部屋に刻んだタマネギを置いた場合と置かない場合で比較したところ、タマネギを置いた部屋の園児は自然に昼寝に入ったという結果があります。タマネギに含まれる硫化アリルという物質が気持ちを落ち着かせて眠りを誘う効果があるんだって。
そして、私が大好きなラベンダーの香りを付けた布団での大学生の実験では、深い睡眠がとれていることが明らかになったそうです。ヒノキやスギの香りは寝付くまでの時間が45%も短くなったというんですから、これは驚異的です。
私はコーヒーが大好きだけど絶対に飲んじゃうから、寝る時にはやっぱりラベンダーが一番かな。うっとりして幸せな気持ちで眠りにつけるんですもの。

本気になれる人なれない人

日々、頑張ればできるのになって自分のことでも他人のことでも思うことがあります。頑張ればっていうのがミソですよね。そう言われたのなら頑張っていないってことですから。よく言われることに『死ぬ気になればば何でもできる』という言葉がありますよね。人間はどうしても自分には甘くなりがちだから、逃げ道を作ってしまうんですよね。以前、読んだ本に「いつかは……」と思うのなら、そんな『いつか』は絶対に訪れないと書いてあったんです。スポーツ選手でも結果を残している人は血のにじむような努力をしていると。何事も中途半端では実らないとも書いてありました。これ以上できないというほどの努力をしても叶わないことは多いけど、叶えている人は必ず本気の努力をしていると。
自分のことを振り返ってみると、今までそんな生き方をしてきたかなって考えてしまいます。逃げていたことがあったかもしれません。自分の望みや夢は諦めたら絶対に叶わないと言われるけど、それってただ諦めないということではないですものね。これ以上できないというくらいの努力があってこその言葉ですものね。自分も含めて、どれほどの人が本気で生きているのか。時々、いい加減なのがカッコいいみたいに言ってる人がいるけど、やっぱり人間は有言実行です。そして、そこには本気の努力がなくては絶対に結果はないんだと思います。

なりたい職業

子供頃からの夢を叶えている人が意外にも多いという記事を読んだことがあります。仕事に関しては、そんなに簡単に夢は叶うものではないという印象だったから、記事を読んで少し驚いたんです。そして、じゃあ私はどうかというと、思い返してみると、幼い頃から色んな職業に憧れてきたなぁって、つくづく思います。それは私には記憶さえない時から始まっています。その頃はまだキャビンアテンダントという言葉でなく『スチュワーデス』と呼ばれていて、私は飛行機なんて乗ったこともないのに、どこから知ったのか、「大きくなったら何になりたい?」と聞かれたら、「スチュワーです!」と舌っ足らずに答えていたそうです。自分の記憶としては、小学生の時にはテレビと読んだ漫画の影響で、歌手になりたいと思っていました。というか、その頃は疑いなくなれるものだと本気で思っていましたしね。でも、小学生の頃にはすでに読書も大好きだったから、歌手じゃなかったらお話を書く人になろう、なんて考えてもいました。そして、こっちもなれるものだと思っていて、「どっちになろうかな」とか「両方できるのかな」なんて真面目に悩んでいました。その後は、アナウンサーになりたかったり、女優になりたかったり。でも結局、普通に就職してしまって……転職も経験して今に至る、です。けど、いつもそばに本のある生活をしていることを考えたら、ある意味、夢は叶ってるのかなって思います。

分かってるんですけど

今はドラッグストアに行くと、シャンプーやトリートメントは容器入りの物よりも詰め替え用の方が沢山売られているような気がします。私もついつい安さにつられてそっちを買ってしまいます。というより、容器は今使ってる物が家にあるんだから、買う必要はないって思うんです。そして、ほぼ空っぽになったらお風呂で使うときに詰め替えるんです。もっと厳密に言うなら『詰め替え』ではなく『継ぎ足し』です。けど、これって、あんまり良くないんですよね。以前に何かの記事で読んだことがあります。でも、ついつい面倒でそうしてしまっています。
そしたら、先日、この行動について『危険』だと書いてある記事を見かけました。「わかっってはいるんです」という気持ちでその記事を読みました。けど、『危険』と書かれると、やっぱり気になります。詰め替えの時には、一度洗って乾燥させないとお風呂の湿気で繁殖している菌をどんどん増殖していくことになるんだって。菌まみれのシャンプーで髪を洗うなんて考えたらゾッとします。もう一つ別に容器を買って、そこに詰め替えれば、洗って乾燥してから使用することができますよね。以前にもそう思ったことはあるんですけど、実行ができていませんでした。でも、今回は『菌まみれ』をイメージできたから必ず実行します。もう『継ぎ足し』はしません。

それが今は第一位です

毎日、パソコンに向かう時間が多いからどうしても肩が凝ってしまいます。時々、マッサージに行きたいなって思うけど、それは病気とは違って優先順位からしたらあまり高くならないから、どうしてもそのままになってしまいます。だから、美容室で仕上げのシャンプー後に軽くマッサージをしてもらうのがすごく楽しみだったりするんです。先日もマッサージをしてもらってたら、いつもの担当の人が「ものすごく凝ってますね」って言ったんです。そのときは自分ではそんなに意識していなかったんだけど、肩を揉んでもらうと気持ちいいのなんのって。そしたら、「髪を乾かして仕上げる間にコレを貼っておきましょうか」って彼女が何かを持ってきたんです。私の肩甲骨あたりに貼ってくれたのは低周波マッサージ器だったんです。見た目は薄くて、湿布のような感じ。でもボタン電池で動くんです。それは見た目の薄っぺらさとは裏腹に結構な力で振動します。私の体がビクビクと動いてしまうんですから。そして、その気持ちのいいことと言ったらありません。それまで雑誌を読んでて、ちょうどコラムの途中だったのに、あまりの気持ち良さについウトウトしてしまっていました。結局、コラムは読みかけのまま髪はキレイに仕上がって席を立つことになりました。持ち運びもできるあの低周波マッサージ器は、私が今欲しい物の第一位に浮上しました。

やっぱり余計なお世話です

先日の朝、職場の最寄り駅のコンビニに寄りました。サラダとおにぎりを持ってレジに並んでいたら、私の前に並んでいた女性が、少し離れたところに立っていた友人らしき二人のうちの一人に声を掛けたんです。「メガネ、もう少し上げた方がいいんじゃないの」って。言われた女性はすぐには意味がわからなかったみたいで、少しきょとんとした顔をしていました。でも、メガネをどうするわけでもありませんでした。それを見た彼女はもう一度言ったんです。「メガネ、もう少し上げたら?」って。けど、たぶん本人にしたら下がっているという意識はなかったみたいなんです。その女性にとってはその位置が『普通』だったんだと思います。私は内心、そんなこと他人から言われることじゃないよねって思っていました。下がってると思えば自分が気持ち悪いわけだから上げるだろうし。たぶん、私の前にいた女性もよかれと思って言ったんだとは思うんだけどね。『ひとそれぞれ』っていう言葉がピッタリの出来事でした。でも、このお話には実は続きがあるんです。その日の帰り、私は偶然にもそのメガネの彼女にまた会ったんです。駅構内のATMに向かっていた私は通り過ぎたカフェでお茶を飲みながら一人で本を読んでる彼女を見かけたんです。本を読んでるその姿にメガネがとても似合っていました。やっぱり今朝のことは彼女にとっては余計なお世話だったんだと改めて感じました。

これは錯覚?勘違い?

人間の感覚ってアテにならないなって時々思います。目の錯覚を利用した芸術作品がテレビで紹介されているのを見たことがあるけど、ホント驚きです。意識を変えると真実が見えてきたりもするから、脳が誤った判断をするってことなんですよね。
そんな芸術作品とは全く関係ないんだけど、錯覚の一種かと思えることが先日私にもあったんです。その日、私は電車に座って本を読んでいました。本に夢中になって乗り過ごさないようにと停車駅を気にしながら文字を追っていました。しばらくページを進めてから、「まだ着かないよね」と自分に確認しながら顔をあげて窓の外を見ました。そしたら、なんと電車は私が帰る方向と反対に進んでいるんです。「逆向きに走っている!」と思った私はものすごく焦りました。「乗り過ごすどころか進行方向が逆だなんて」と。どうなっているのか理解できません。思わず本を閉じてバッグに入れました。そしたら、車内アナウンスが聞こえたんです。「次は……」それは、私が降りる駅の一つ前の駅の名前でした。その瞬間、進行方向が正しくなったんです。私は乗り間違っても乗り過ごしてもいませんでした。電車はまったく普通に走っていたんです。つまり、私の脳が錯覚を起こしていたってことなんです。アナウンスが聞こえた瞬間に見え方が変わったという事実に驚きしかありませんでした。本当に私の脳はアテにならないなってつくづく思いました。