Home > フリー > ブックカバーに一目惚れ

ブックカバーに一目惚れ

4月 11th, 2020

電車に乗っていた時のことです。隣に立っていたスーツ姿の男性がおもむろにカバンから単行本を取り出し読み始めたのでした。その時私の目が捉えたのは、とても素敵なブックカバーでした。書類を送る大きな封筒をコンパクトにしたようなデザインで、初めて見る上等なシロモノだと感じました。そのデザインはとてもセンスよく感じ私のツボを抑えたためか、おちおち本を読み続けることが出来ないくらいに心を揺さぶられたのでした。それから数駅通過したところで男性は降りる準備を始め、ゆっくりと本を閉じてブックカバーについている紐をクルクルと丸い留めの部分に巻き付け始めました。閉じられた書籍はまるで書類がぎっしりと入った封筒を小さくしたような不思議な形となり、その方のカバンにしまわれたのでした。
その男性はスーツをさわやかにかつおしゃれに着こなしており、「センスがよい人」という印象が心に焼き付いています。その印象の引き金となったのは本を覆っていたあのシロモノの影響も大きかったように思えます。間もなく降車してしまいましたが、またあの方に会いたいと思う気持ちとブックカバーをもう一度見たいという思いが今も心にひっそりと存在しています。そしてどこかで封筒型ブックカバーを見つけたら、絶対に購入しようと常々思っております。

フリー

Comments are closed.