美容院での読書

美容院での読書は、日常の中にあるちょっとした非日常で、私にとっては気持ちを切り替える大切な時間。鏡の前に座ってケープをかけてもらうと、「これからは自分のための時間です」と宣言されたような気分になります。そのタイミングで手に取る一冊は、家で読む本とは少し違う存在です。

美容院では、あまり重すぎない内容の本を選びます。途中で美容師さんと会話をしたり、シャンプーで席を立ったりするので、話が細かすぎると置いていかれてしまうんです。雑誌やエッセイ、短編集など、少しずつ読めるものがちょうどいいかもしれません。ページをめくる音と、ハサミのリズムのある音が重なると、不思議と心が落ち着くんです。

カラーやパーマの待ち時間に読む文章は、普段よりもゆっくり頭に入ってきます。鏡越しに自分の表情を見ながら本を読むと、「私、今ちゃんと休めているな」と感じる瞬間がああるんですよね。日常ではつい後回しにしてしまう自分自身に、少しだけ丁寧になれる時間といえるかも。

髪が整っていくにつれて、気分も一緒に整っていくような感覚があります。本の世界に触れながら、外見も内側も少しずつリフレッシュされていく。読み終わらなかったページがあっても、それはそれで構いません。美容院での読書は、物語の完結よりも、心が軽くなることの方が大切だと思うのです。

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