話題の映画『国宝』を先日ついに観に行ってきました。
まわりの友達も大絶賛で、絶対映画館で観たほうがいいと強く勧められていて気になっていたんですよね。
ようやく見に行く機会ができたので、映画館へ足を運んで来ました。
友人たちが言うように、映画館で観て正解でした。
一言で言うなら「美しくて、苦しくて、圧倒された」って感じでしょうか。
3時間もある長尺となっていますが、全く飽きさせず、時間があっという間に過ぎてきました。
圧巻すぎて、見終わったあと、しばらく席を立てずぼーっとしてしまいましたね……。
まず、映像が本当に美しい。映像だけで、素晴らしい芸術作品です。
歌舞伎の舞台の光や衣装の色、稽古場の静けさまで、全部が一枚の絵画のようでした。
そしてなんと言っても、吉沢亮と横浜流星、このふたりの演技が言葉にならないほどすごいです。
天才と呼ばれる人間の孤独とか、才能を持つ苦しさとか、そういう“美しくない部分”をちゃんと見せてくれます。
特に吉沢亮の表情がすごい。一瞬の目の動きだけで、何を背負ってるのか伝わってくるんです。
横浜流星の真っすぐな情熱も対照的で、ふたりの関係がぶつかり合うたびに心がざわざわしました。
ストーリー的には、いわゆる「華やかな芸能の裏にあるもの」を描いてるけど、単なるドロドロしているだけじゃなかったです。
もっと深くて、もっと静か。誰かを愛すること、信じること、そして芸に生きること。その全部が矛盾しながらも成立してる世界で、登場人物たちがもがいてる。その姿が痛いほどリアルでした。
観終わったあとにスカッとする映画ではないかもしれませんが、静かな熱がじわじわ残りました。
評判に違わぬ、観る価値がある一本でした。
少しわかりにくい部分もあるのですが、友人曰く原作小説をあわせて読むと理解度が深まるよといっていたので、小説も読むつもりです。楽しみ。