ブックカバーに一目惚れ

電車に乗っていた時のことです。隣に立っていたスーツ姿の男性がおもむろにカバンから単行本を取り出し読み始めたのでした。その時私の目が捉えたのは、とても素敵なブックカバーでした。書類を送る大きな封筒をコンパクトにしたようなデザインで、初めて見る上等なシロモノだと感じました。そのデザインはとてもセンスよく感じ私のツボを抑えたためか、おちおち本を読み続けることが出来ないくらいに心を揺さぶられたのでした。それから数駅通過したところで男性は降りる準備を始め、ゆっくりと本を閉じてブックカバーについている紐をクルクルと丸い留めの部分に巻き付け始めました。閉じられた書籍はまるで書類がぎっしりと入った封筒を小さくしたような不思議な形となり、その方のカバンにしまわれたのでした。
その男性はスーツをさわやかにかつおしゃれに着こなしており、「センスがよい人」という印象が心に焼き付いています。その印象の引き金となったのは本を覆っていたあのシロモノの影響も大きかったように思えます。間もなく降車してしまいましたが、またあの方に会いたいと思う気持ちとブックカバーをもう一度見たいという思いが今も心にひっそりと存在しています。そしてどこかで封筒型ブックカバーを見つけたら、絶対に購入しようと常々思っております。

空間をの楽しみ方と風水

ここ最近面白い本に出会う確率が上がっております。特に古本運が良好なようです。数日前の週末に川が流れる港町で行われたアートイベントに行ってきました。鉄道のガード下にある建物を利用しており、空間デザインと展示作品を同時に楽しめる企画でした。そのためとても充実した時間を過ごすことが出来ました。ユニークな形をした空間で奇抜に遊ぶことができることを知り、私もこんなおうちに住みたいと思いました。特に屋根裏にガラスがはめ込まれた部屋は空が間近にあって、くつろぎを感じることが出来ました。町の一角にはカフェもあり、天井から吊るされた洋服を洗濯物に見立てたアートはカラフルで美しかったです。店内には「移動式古本屋」と題された小さなラックがあり、品物を眺めてみました。「サブカル好き必見」の紙が張られていて売られている書籍はどれも異彩を放っていました。そして目ぼしいものを2冊ほど購入して家路についたのでした。そのうちの一冊は風水について書かれた作品で、おしゃれな装丁と写真がお気に入りの書籍です。アートな街で出会ったあの素敵な空間を頭におきながら、風水で開運を招くお部屋作りに早速トライしようと思っています。そんなプチアーティスティックな気持ちにさせてくれた本とイベントに感謝しております。

貪欲に楽しむ生き方って素敵

いつまでも楽しむことを忘れない大人でありたいと若い頃から思っていました。幾つになっても面白いことや刺激を追い求めている人は男女問わず魅力的だと10代の頃に感じたことがきっかけです。まだまだ未熟者だった当時の私に「クールな生き方」を教えてくれた方々に心から感謝をすることも少なくありません。
私の友達には10代の頃からクラブが大好きだったパーティーピープルがいます。今はかなり落ち着いていて夜遊びもほとんどしなくなったようですが、夜遊びを謳歌する中で出会ってきたイケてる人達の存在はその後のライフスタイルに大きな影響を与えたように思うのです。なぜならば年を重ねた今でもセンスがよくて音楽や文学、映画やファッションなどの知識も幅広いからです。こうした幅広い知識を自慢げに見せびらかす訳でもなく、自ら追及して楽しんでいるところが憎いほどカッコいいと感じるのです。
先日その友達に誘われて、マルチに活動するアーティストが参加するイベントに行ってきました。ライターとしてミュージシャンとして活躍する人の話を聴くことが出来る場は、貴重な場でした。何よりも時代の先端のものをいち早く取り入れて、自らのやり方で発信してきたアーティスト達の話はとても面白くて刺激的だったのでした。そして一番の収穫は好きなことをどんどん極めて毎日を楽しもうという意欲が湧いたことでした。ルーティーワークのように続く毎日に少々悶々としていた私に、よいスパイスを与えてくれた最高に素敵な時間だったと感じています。これを機会に彼らの執筆した書籍も今後読んでいきたいと新たな野望を抱くのでした。

コミック専門フロアで存分にお買い物

本屋で久々に大量の買い物をしました。購入したのはコミックです。大型ターミナル駅にある地域密着型書店を訪れた時に、コミック専門フロアを見つけたのでした。以前からたまに利用していましたが、改装をして新しくなった店内に魅了され、ついつい足を止めたのであります。そして木目調なシックな作りのフロアにたくさんのマンガが並んでいたのを見た時、買い物欲が沸々と沸いてきたのでした。新刊から名作まで品揃えも豊富で、何を買おうかと悩みながら選でいたら、心が踊ってしまいすっかり時間を忘れてしまいました。売り場にある商品を網羅するようにしっかりとチェックしながらも、以前から購読していた単行本を買ったのでした。2つのタイトルで合計5冊を手にレジへ向かいました。嬉しいことに財布には以前いただいた図書カードが入っており、それを使って支払いを済ませまたのでした。その後急いで近くにある喫茶店へ行き、真剣に読み耽りました。購入したマンガは食べ物に関する作品だったため、お昼ご飯を食べた後にも関わらず無性にお腹が空いてしまいスイーツに手を伸ばした次第です。あの日からマンガへの思いは再加熱したようで、時折単行本を購入しては読み耽る日々が続いております。

犬の能力が凄すぎる

犬には素晴らしい能力が沢山あることは以前から知っていました。今までにも色んな本や雑誌で読んできたし、実際にうちのワンコを見ていても感じることがあります。けど、先日、読んだ記事には驚くような能力が載っていたんです。嗅覚や聴覚などが優れていることは誰でも知っていますよね。でも、それだけでなく、不思議とも言える様々な能力があるようなんです。
その記事によると、主人の痙攣発作を感知できるというのです。発作の数十秒前から1時間前くらいに、主人に知らせる特別な反応をすることがわかったんだそうです。それは、嗅覚や聴覚に由来するものなのかどうかわからないけど、確かに何かを感じているらしいんです。そういえば、うちのワンコだって、ものすごく空気を読みますし、私の気持ちは十分感じ取ってるように思います。
それに、嗅覚で驚いたことに、訓練された犬はなんと98%の確率で癌患者を見分けることができるというのです。人間にはわからないけど、汗や呼吸の匂いから感知するようなんです。鼻が利くとは思っていましたけど、そこまでとは思いませんでした。同じく匂いでは、糖尿病患者さんや出産を迎える妊婦さんの役に立つこともできるらしいです。糖尿病患者さんの場合、低血糖時の匂いを感じ取ることができるんだって。妊婦さんに関しては、出産間近に出るフェロモンの匂いがわかるようです。だから、そういった訓練もされているんだそうです。
そう考えたら、警察犬や介助犬以外にも将来は病院などでも活躍しそうですよね。ワンコが大好きな私は自分のことのように嬉しくなりました。そして、なんだかうちの子までが凄い能力を持っているかのように思えて改めて可愛くなりました。

東西南北が無理でした

先日、仕事で出かけた場所が少し前に読んでいた小説の舞台になっていたから、ちょっとワクワクしていました。なぜなら、その小説には地理的なことがすごく沢山出て来ていたからです。観光名所だったり、通りやお寺の名前、お店の名前だったりと、本当に色々です。そして、それらが全て本物なのか、ある程度は作り物なのかは行ってみなければわからないといった感じだったんです。もともと少しはそのあたりを知っていた私は、明らかに実在している通りの名前やお寺の名前があるから、もしかしたら全部が実在しているんじゃないかと思っていたんです。
もちろん、遊びに行っているのではないんだから、初めから真相を確かめに行くわけにはいきません。でも、仕事の用事を片付けてしまえば、少し時間に余裕がありました。そうなれば、確かめずにはいられません。
カフェでお茶を飲みながら、本のページをめくってみます。通りの名前を確認しながら物語に出て来る建物やお店を地図と目で探してみます。けど、方向音痴の私は、小説の中に書いてある東西南北がわからなかったんです。実際にどっちの方を指しているのか。駅だとかデパートだとかは、間違いありません。けど、○○通りから西に向かうと……となると、さっぱりわからなくなるんです。そうこうしているうちにタイムリミットでした。残念。私一人では無理だとわかったから、今度は友人と来てみます。もしくは、職場の誰か、方向音痴ではない人と。

あの行列はなーに?

毎日通る場所でも気づかないことってあるものですね。先日、いつものように電車での読書タイムを過ごしていたときのことです。友人が貸してくれた話題の小説だから、かなりのペースで読み進めていました。そして、途中の駅に停車したからふと顔を上げたときのことです。私の目に飛び込んできたのは、ホームにできた行列です。明らかに電車を待っている人じゃないんです。一列に並んでいます。見慣れない光景に思わず、その行列の先を探しました。そしたら、そこには小さなショップがありました。旗が上がってるのが見えて、「○○プリン」って書いてあったんです。「まさか!」と思いましたけど、そのお店に並んでるみたいなんです。たまに行列ができる人気のお店ってありますけど、そこは駅のホームです。それもみんな電車に乗るついでに買うという感じじゃないんですもの。けど、いつからあんなことになっていたんでしょう。今まで全く気づきませんでした。毎日通勤で通っているのにです。座っているときは本に熱中していることが多いけど、もちろん立っているときもあります。
けど、気になります。どんなプリンなのか。だって、ホームに並んでいるんですよ。わざわざそこに来てる人の方が多いように思いますし。その日はずっとその光景が目に焼き付いていました。降りたことがない駅だから、よけい興味が湧くんです。今、その駅にいつ降りてみようかと計画中です。

彼女があまりにも変わってなくて

先日の週末、いつもより早い時間の電車に乗りました。かなり空いていたから楽々座ることができました。乗り換えまで10分足らずだったんだけど、もうルーティンのようにバッグから本を取り出しました。ほんの少しの時間でも、やっぱり読みかけの小説があれば、その続きを読みたいです。先日もそう思いながら、本を開こうとしたときです。私の斜め左側の少し先に座っている女性に見覚えがあったんです。でも、かなり以前のことなのに、彼女の外見はほとんど変わっていませんでした。だから、似ているだけで別人かもしれないと思ったんです。チラチラと数回見たけど「他人のそら似かな」と考えて、視線を本に向けました。でも、やっぱり気になります。私は本をバッグに入れて立ち上がりました。そして、思い切って声を掛けたんです。間違っていたら謝ろうと思いながら、空いていた彼女の隣に座って、「○○さん?」と。彼女は思いがけず声を掛けられたという感じで少しポカンとした表情でした。でも、「はい、そうですけど……」という答えに一安心でした。「私、△△です」と言った瞬間に「あ!?」とわかったみたいでした。乗り換えてからも行き先が途中まで同じだったから、久しぶりに懐かしくお話ができました。でも、私のことが分からなかったということは、「私は変わってしまってたのかな」と思うと、後になって、どう変わっていたのかがすごく気になってきました。彼女の場合は、あまりにも以前のままで若かったから別人かと思ったのにね。だから、私を見てどう思ったのか、ずっと気になり続けています。

キュートな傘、探索中

先日、朝は快晴だったのに夕方にはまるでずっと降っていたかのような雨になりました。舗道からも雨の匂いが立ち上っていました。職場から駅に向かっているときにすれ違った旅行客らしき人たちは、傘を持っていなかったのか濡れながらキャリーバッグを引っ張っていました。私は傘をさしていたけど電車に乗ってしまえば、今度はそれが邪魔になります。そう考えただけでちょっと憂鬱になってしまっていました。小説なら、こんな日でもロマンチックな出会いがあったりするんですけどね。主人公がそんな天気を憂鬱だなって思っていても、何かのきっかけで物語はドラマチックに展開していきます。けど、現実はなかなかそうはいきません。そんなことを考えながら駅前の広場まで来たら、こんな天気だというのにかなりの人が立っていました。待ち合わせでもしてるのかな。そのとき、一人の女性がさしていた傘に目が留まりました。なんてキュートな! ブランド物のような高級な物じゃなくてビニル傘です。でも、そこに描かれてるのは可愛い子ネコだったんです。色使いもとってもポップでした。あんな傘を持っていたら、雨の日だってテンション上がりそうです。思わず駅ナカショッピングモールで探してしまいました。でも、あいにく見つかりませんでした。それからというもの、気になって気になって仕方がなくて探し続けています。あぁ、どうか見つかりますように!

素質があったからブームなんです

今まで時代小説なんてほとんど読んだことがなかったのに、このところ自分の中ではちょっとしたブームなんです。歴史が苦手だったから、手を付けていなったということもあるんですけどね。食べ物の食わず嫌いと同じかもしれません。よく友人に「歴史小説は生理的に無理」なんて言っていたものです。絶対に眠くなるし、最後まで読めないって思い込んでいたんです。でも、たまたま、あるコラムで「徒然草」の現代語訳を読んでから、がぜん興味が湧いてきたんです。なかなか面白いんだなって。たぶん、現代語訳が上手だったんだと思います。それに、日本史も学生時代はあれほど嫌いだったのに、小説なら意外にも楽しいんです。わからないことは調べたりしていますし。なんで学生時代にこんな気持ちにならなかったんだろって思ってしまいます。今なら、歴史も得意科目になるかもしれません。過去の時代と現代を照らし合わせて考えてみるのも面白いです。ちょっとこれは新たな境地を開拓してしまったんじゃないですか!? なんて偉そうに言ってますけど、実際にはまだそんなに多くは読んでいません。でも、このブームが去るまでは頑張って沢山読んでみようと思っています。そして、遥か昔のロマンともいうべき世の中を味わいたいと思うんです。あぁ、ワクワクします。元々、タイムリープの小説が大好きだったんだから、素質はあったんですよね。まだしばらくブームは続きます。