不思議の国のアリス

『不思議の国のアリス』って、何度読書しても「やっぱり不思議だなあ」と思わされる本ですよね。
子どものころに読んだときは、ただただヘンテコな世界に振り回されるアリスが面白くて、トランプの兵隊とか、ニヤニヤ笑うチェシャ猫とか、インパクトの強いキャラクターばかりが印象に残っていました。
でも大人になってから改めてページを開くと、「え、こんなに言葉遊びだらけだったっけ?」ってびっくり!

そもそも物語の始まりが、退屈そうにしていたアリスが白ウサギを追いかけるところからっていうのもいいですよね。読書って、ある意味で白ウサギを追いかける行為に似てると思います。気になった一文をきっかけに、気づけば全然違う世界に落っこちている感じでしょうか。穴に落ちるシーンなんてまさにそれで、「これからどうなるの?」ってワクワクしながら本をめくる手が止まらなくなります。

それに、この物語ってちゃんと意味を理解しようとすると急にスルッと逃げていくところがある。常識が通じないお茶会とか、理不尽に怒るハートの女王とか、「なんでそうなるの?」ってツッコミたくなる展開ばかり。でも、その理不尽さがクセになるんだよね。読書って、必ずしも教訓や答えをもらうためだけのものじゃないんだなって思わされます。

きっと『不思議の国のアリス』は、「わからなさ」を楽しむための本なんだと思います。きちんと理解しようと肩に力を入れるよりも、「まあいっか、面白いし」で読み進めるくらいがちょうどいい。現実がちょっと窮屈に感じるときほど、この物語のナンセンスさが心をふっと軽くしてくれます。たまには理屈を手放して、アリスと一緒に不思議の国をふらふら歩く、そんな読書時間も悪くないかもしれません。